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森の中の絶景
自由登園は森を歩きました
心配だった雨も朝方にあがり一安心。意気揚々と出発です。 遊歩道の入り口でバスを降りたみんなは、森の中心部にあるといわれている池を目指します。大樹の密生地帯を縫うように続く道は、よく踏み固められていて、路肩にいたっても脆弱さは見受けられません。樹冠からこぼれる陽光は疎らで、それに照らされる老木たちの圧倒的な存在感とあいまって、あたかも歴史ある古道を歩いているような気持ちにさせてくれます。
きたの幼稚園では、みんなで森に遊びに行く機会が多々あるせいか、戸惑った様子を見せる子はほとんどいません。 「クワガタのにおいがするねー」 「なんか甘い匂いもするよねー」 土と草と葉と朽木の匂いに、樹液が放つほのかな甘さも敏感に感じ取ったようです。 森の深さに比例して濃密になっていく独特の空気を楽しむように、みんなで、クンクンと香りの元を探しつつテクテクと進んでいきます。
しばらく森の中を進んで行くと、やがて唐突に森が開けます。そして目の前に芝に覆われた巨大な丘が現れます。ドラマチックな情景の変化に、そこが今日の目的地であることが自然とみんなにも分かったようです。 丘を登りきったみんなの隊列が、ポッカリと口を開けた青空にどんどん吸い込まれて、やがて姿がみえなくなります。 そして、青空の中から聞こえるみんなの声。
果たして、目的の池は確かにそこにありました。 深い森から突然空に飲み込まれて、放り出されたらこの景観です。 水面には雲や対岸の木々がすっきり映りこんでいて、それを掻き乱さないようにゆっくりと泳ぐ鯉や水鳥たち。グリーンの葉の上でかしこまって咲いている蓮華も見えます。 じっと耳を澄ませば、景色の奏でる音が聞こえてきそうです。
丘の上は広い園地になっていて、適度に草も伸び、至る所にバッタやコオロギが跳ねています。虫を追ったり、花を摘んだり、笹舟を作ったりと、大はしゃぎでした。 でもさすがは森の奥です、元気に遊ぶみんなの歓声も、静謐さに包まれた場所ではどこか遠くに聞こえてきます。 興味の赴くままに、たおやかに走りまわるみんなの姿が溶け込んだ風景は、絵心さえあったならすぐにでも筆を執りたくなるような、そんな風景でした。
更新日 :
2007-09-04
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